2017年6月20日火曜日

「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」「奈良美智がつくる 茂田井武展 夢の旅人」 ちひろ美術館・東京

今回は、西武新宿線上井草駅から徒歩7分のところにあるちひろ美術館・東京をご紹介します。
8月20日(日)まで、「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」「奈良美智がつくる 茂田井武展 夢の旅人」が同時開催中です。
ちひろ美術館・東京にはぐるっとパスで入場できます。
「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」
(1階の展示室3・4)
「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」などのアニメーション映画の監督として知られる高畑勲が、創作のうえで深い洞察を得てきた画家のひとりが、いわさきちひろです。
この展覧会では、高畑の視点からちひろの絵の魅力を新たに発見し、今までにない演出でちひろの絵の世界を体感できます。
展示室3の展示風景
展示室4の展示風景
展示室4の数ある展示作品の中で、3点の絵が拡大されて展示されています。
なぜ、絵を拡大して展示したのか、高畑のことばをご紹介します。
「これはただのアトラクションのつもりではないのです。拡大された絵をもうひとつの「原画」として、まじめに見つめ、対峙していただきたい。すると、いままで見てはいても見えていなかったものが、いろいろと見えてくるはずです。
(中略)…ときには絵の中に入っていけるかもしれません。」
いわさきちひろ 《海とふたりの子ども》1973年 『ぽちのきた海』(玄光社)
この作品は、約6.4倍の大きさで高精細に拡大して展示されています。
展示室4では、絵本『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)の原画の展示と、3点の拡大された絵の展示と、絵本『あめのひのおるすばん』(玄光社)の原画や少女のイメージや雨の情感を探求した習作やスケッチを展示した3つのパートから構成されています。
いわさきちひろ 《焼け跡の姉弟》1973年
最初の展示は『戦火のなかの子どもたち』の作品が並びます。入ってすぐのところにあるのは防空壕をイメージした展示。
左から いわさきちひろ 《たたずむ少年》1972年 《焼け跡の姉弟》1973年
展示室4の展示風景
奥には絵本『あめのひのおるすばん』の作品が並んでいます。
『あめのひのおるすばん』の作品や少女のイメージや雨の情感を探求した習作やスケッチが並べられた展示
額に入れずにそのままトリミングされていない作品を展示することで、見る人に能動的に見てもらいたいという思いがあるとのことです。
「奈良美智がつくる 茂田井武展 夢の旅人」(展示室1・2)
みなさんは茂田井武(もたいたけし)という画家をご存知でしょうか?
1908年東京日本橋生まれ。戦後日本の復興期に絵本、絵雑誌などの仕事で活躍した童画家です。
現代美術のアーティストとして世界的に活躍する奈良美智も茂田井の絵に心ひかれるひとりです。

今回は、奈良美智が今も「新しい」と感じる茂田井武の作品を選び、展覧会を構成しています。
48歳で早逝した茂田井武と、今に活躍する奈良美智が茂田井の死後約60年を経て、現代にコラボレーションします。

1930年、21歳の春に、茂田井は鞄一つで欧州放浪の旅に出ます。滞在先のパリやジュネーブで、夜毎心に留まった光景や人物、夢の断片を絵日記風に描きためた画集「Parisの破片」や「続・白い十字架」が展示されています。


画帳「Parisの破片」 1931~35年



画帳「続・白い十字架」 1931~35年
この他に、戦時中の日記や、夢から生まれた絵物語、子どもの落書きのある絵など、折々の茂田井の内面が色濃く表れた作品が選ばれています。
『月夜とめがね』(新潮社)装丁 1954年
この作品は小川未明の「野ばら」「月夜とめがね」等の童話17話が収録された童話集の表紙絵として描かれました。
茂田井の描く絵には、その素朴さはもちろんのことですが思わず心ひかれてしまう独特の魅力があります。
ぜひ、みなさんにも奈良美智セレクションの茂田井の作品たちを実際にご自分の目で楽しんでいただきたいです。
ここに茂田井の絵の魅力を表現した奈良美智のことばを引用します。
「茂田井さんの絵をみると
おじいさんの子どものころの写真をひきだしから見つけたような
忘れかけていた宝物に出会ったような感じになる。」
茂田井の晩年の傑作、宮沢賢治の童話『セロ弾きのゴーシュ』(福音館書店)の作品の前で茂田井の作品や近年の自作について語る奈良美智氏。

閑静な住宅街に佇むようにあるちひろ美術館・東京は、一度は訪れてみたい素敵な美術館です。お庭を眺めながらカフェで軽食やお茶をいただくこともできます。
ミュージアムショップも充実していて、思わず記念になにか手に入れて帰りたくなります。

まだ行った事のない方はもちろん、行かれた事のある方も、この見ごたえある展覧会の会期中にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
ちひろ美術館・東京にはぐるっとパスで入場できます。


ちひろ美術館・東京
HP http://www.chihiro.jp/tokyo/
「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」
「奈良美智がつくる 茂田井武展 夢の旅人」
会期:2017年5月19日(金)~8月20日(日)
休館日:月曜日(祝休日は開館し、翌平日休館)
※8月1日(火)~20日(日)は無休
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで
観覧料:大人800円、高校生以下無料



★ぐるっとパスは、1冊2,000円で東京を中心とする80の美術館・博物館などの入場券又は割引券がセットになったお得なチケットブックです。使用開始日から2ヶ月間利用可。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。
 





2017年6月2日金曜日

6~7月のおすすめ展覧会(入場)

ぐるっとパスの利用で入場できる
6~7月のおすすめ展覧会をご紹介します。

*割引利用のおすすめ展覧会はこちら
6月です。2017年もすでに半分が過ぎようとしています。時が過ぎるのは早いものですね。2017年の年末に「充実した1年だった」と振り返るために、展覧会を見て自分を触発することから始めてみませんか?
ぐるっとパスなら、一冊2,000円で、動物園、水族園、植物園の入場券も含まれています。
まずは、ぐるっとパスの施設を訪れるのを目的に出掛けてみましょう。ついでに街めぐりも楽しめば充実した休日をお過ごしいただけます。

(会期や休館日、開館時間、一般料金以外の観覧料等の詳細は各施設のHPでご確認ください。)

「ぐるっとパス2017」は一冊2,000円。
最初にお使いになった日から2ヶ月間有効です。(ただし最終有効期限は2018年3月31日)
使える80施設の販売窓口でお買い求めになれます。
販売期間は2018年1月31日までです。
★詳細はこちらの公式HPまで。



企画展「杉戸洋 とんぼ と のりしろ」

会期:2017725日(火)~109日(月・祝)
会場:東京都美術館 http://www.tobikan.jp/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。


●常設展示内 特集「ふるさとへの想い」

会期:201768日(金)~827日(日)
一般料金:500円がパスだけで入場できます。


●企画展『みんなが見たい優品展 パート13 中村不折コレクションから日本人もあこがれた隋・唐時代の書』

会期:2017314日(火)~618日(日)
会場:書道博物館 http://www.taitocity.net/zaidan/shodou/
開館時間:9301630(入館は1600まで)
一般料金:500円がパスだけで入場できます。

特別展『あの人、こんな字! -歴史上の人物たち-』

会期:2017627日(火)~1217日(日)
《日本編》2017627日(火)~2017918日(月・祝)
《中国編》2017922日(金)~20171217日(日)
会場:書道博物館 http://www.taitocity.net/taito/shodou/
一般料金:500円がぐるっとパスだけで入場できます。



●樋口一葉生誕145年記念企画展

「樋口一葉と錦絵 歌川派の浮世絵師楊洲周延が描いた「別れ霜」挿絵と錦絵の世界」

会期:2017421日(金)~625日(日)
会場:一葉記念館 http://www.taitocity.net/zaidan/ichiyo/
一般料金:300円がパスだけで入場できます。


石洞動物園

会期:2017429日(土)~86日(日)
会場:石洞美術館 http://sekido-museum.jp/
一般料金:500円がパスだけで入場できます。



特別展 BORO 美しいぼろ布展~ボドコ、生命の布~

会期:2017331日(金)~2018325日(日)
会場:アミューズミュージアム  http://www.amusemuseum.com/exhibition/
一般料金:1,080円がパスだけで入場できます。



夏の企画展 千一億光年トンネル

浜口陽三、奥村綱雄、Nerhol 、水戸部七絵

会期:2017520日(土)~86日(日)
会場:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション https://www.yamasa.com/musee
一般料金:600円がパスだけで入場できます。



●特別展 創建1250年記念 奈良 西大寺展 叡尊と一門の名宝

会期:2017415()611()
会場:三井記念美術館  http://www.mitsui-museum.jp/
一般料金:1,300円がパスだけで入場できます。


●第66回企画展 開館20周年記念企画第3弾「花は見えても」

会期:2017314日(火)~611日(日)
会場:相田みつを美術館  http://www.mitsuo.co.jp/ 
一般料金:800円がパスだけで入場できます。

●第67回企画展 夏休み特集「いちずに一本道 いちずに一ツ事」

会期:2017613日(火)~910日(日)
会場:相田みつを美術館  http://www.mitsuo.co.jp/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。


●所蔵作品展 MOMATコレクション

会期:2017527()115()
会場:東京国立近代美術館 4F-2F 所蔵品ギャラリー
URL 
:準備中
一般料金:500円がパスだけで入場できます。

無料観覧日:201764()72()86()93()101()113(金・文化の日)115()


所蔵作品展 こども×おとな工芸館 調度ハッピーのかたち

会期:201774()93() 
会場:東京国立近代美術館工芸館
一般料金:250円がパスだけで入場できます。

無料観覧日:201786()93()



●「日本、家の列島」展

会期:201748日(土)~625日(日)
会場:パナソニック 汐留ミュージアム https://panasonic.co.jp/es/museum/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。


AMBIENT 深澤直人がデザインする生活の周囲展

会期:201778日(土)~101日(日)
会場:パナソニック汐留ミュージアム https://panasonic.co.jp/es/museum/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。


17世紀の古伊万里―逸品再発見Ⅰ―展

会期:2017527日(土)~92日(土)
会場:戸栗美術館  http://www.toguri-museum.or.jp/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。



●総合開館20周年記念|TOPコレクション 平成をスクロールする|春期
いま、ここにいる

会期:2017513日(土)~79日(日)
会場:東京都写真美術館 3階展示室 http://topmuseum.jp/
一般料金:500円がパスだけで入場できます。


●館蔵 中国の工芸

会期:2017523日(火)~923日(土・祝)
会場:松岡美術館 http://www.matsuoka-museum.jp/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。

●松岡コレクション 印象派・新印象派
モネやルノワールはどこを描いたの?なにを描いたの?

会期:2017523日(火)~923日(土・祝)
会場:松岡美術館 http://www.matsuoka-museum.jp/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。


「夏のかほり」展 ―にほんがをみる

同時開催「桜百景 vol.10」展

会期:201766日(火)〜2017827日(日)
会場:郷さくら美術館 東京 http://www.satosakura.jp
一般料金:500円がパスだけで入場できます。


コドモ×おようふく ~お母さんの手作りこども服~

会期:201759日(火)~729日(土)
会場:アクセサリーミュージアム http://acce-museum.main.jp/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。



●館蔵 近代の日本画展

会期:2017513日(土)~618日(日)
会場:五島美術館 http://www.gotoh-museum.or.jp/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。


●館蔵 夏の優品展「料紙のよそおい」

会期:2017624日(土)~730日(日)
会場:五島美術館 http://www.gotoh-museum.or.jp/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。



~かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展

会期:2017617日(土)~813日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館 http://www.seikado.or.jp
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。



世界の絞り

会期:201769日(金)~94日(月)
会場:文化学園服飾博物館  http://museum.bunka.ac.jp/ 
一般料金:500円がパスだけで入場できます。

片山正通的百科全書 Life is hard... Let's go shopping.

会期:201748日(土)~625日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/exh196/

一般料金:1,200円がパスだけで入場できます。


荒木経惟 写狂老人A

会期:201778日(土)~93日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/exh199/
一般料金:1,200円がパスだけで入場できます。



高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ

奈良美智がつくる 茂田井武展 夢の旅人

会期:2017年5月19日(金)~8月20日(日)
会場:ちひろ美術館・東京 http://www.chihiro.jp/tokyo/
一般料金:800円がパスだけで入場できます。


生誕110年記念 漆の画家 太齋春夫展

会期:201769日(金)~714日(金)
会場:練馬区立美術館 https://www.neribun.or.jp/museum.html
一般料金:300円がパスだけで入場できます。


●紙布~桜井貞子作品展~

会期:2017年3月18日(土)~6月4日(日)
会場:紙の博物館  http://www.papermuseum.jp/
一般料金:300円がパスだけで入場できます。

●作品寄贈記念展ORIGAMI ~“神宿る手”吉澤章のまなざし~

会期:2017617日(土)~93日(日)
会場:紙の博物館 http://www.papermuseum.jp/
一般料金:300円がパスだけで入場できます。


着物と装身具に見る江戸のいい女・いい男

会期:2017422日(土)〜72日(日)
会場:たばこと塩の博物館 https://www.jti.co.jp/Culture/museum/
一般料金:100円がパスだけで入場できます。


発掘された日本列島 新発見考古速報2017

会期:201763日(土)~723日(日)
会場:東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5階企画展示室
一般料金:600円がパスだけで入場できます。


特別展「句碑にたどる江戸・江東の俳諧」

会期:2017427日(木)~611日(日)
会場:江東区芭蕉記念館 https://www.kcf.or.jp/basho/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。

初公開「(伝)上島鬼貫作芭蕉像」と芭蕉の肖像

会期:2017427日(木)~611日(日)
会場:江東区芭蕉記念館 https://www.kcf.or.jp/basho/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。

地誌『江戸砂子』と『狂歌江戸砂子集』~江戸の町と狂歌~

会期:2017427日(木)~611日(日)
会場:江東区芭蕉記念館 https://www.kcf.or.jp/basho/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。


前期企画展「芭蕉の弟子ベスト10『蕉門十哲』」

会期:2017615日(木)~1210日(日)
会場:江東区芭蕉記念館 https://www.kcf.or.jp/basho/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。


●色あせない風景 滝平二郎の世界展

会期:2017422日(土)~72日(日)
会場:三鷹市美術ギャラリー  http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/
一般料金:600円がパスだけで入場できます。


春の特別展「武者小路実篤の出版事情 『白樺』『大調和』を中心に」

会期:2017429日(土)~611日(日)
会場:調布市武者小路実篤記念館 http://www.mushakoji.org/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。

夏休み企画「知ってる? 武者小路実篤」

会期:201771日(土)~827日(日)
会場:調布市武者小路実篤記念館 http://www.mushakoji.org/
一般料金:200円がパスだけで入場できます。



●生解説プラネタリウム「全天88星座~光が語る天球の地図~」

会期:2017512日(金)~714日(金)
会場:多摩六都科学館 http://www.tamarokuto.or.jp/
一般料金:1,000円がパスだけで入場できます。
(展示室+プラネタリウムまたは大型映像1回)



●夏の特別企画展「パズル島へようこそ!〜解ける?解けない?パズルの不思議〜」

会期:2017715()93() 7/189/1は休館
会場:多摩六都科学館 http://www.tamarokuto.or.jp/
一般料金:500円がパスだけで入場できます。


      国立西洋美術館 ©国立西洋美術館

特別展「世界遺産登録記念 ル・コルビュジエと前川國男」

会期:2017530日(火)~910日(日)
会場:江戸東京たてもの園 http://www.tatemonoen.jp
一般料金:400円がパスだけで入場できます。


田中彫刻記~平櫛田中107年の軌跡~

会期:2017524日(水)~910日(日)
会場:小平市平櫛田中彫刻美術館 http://denchu-museum.jp/
一般料金:300円がパスだけで入場できます。


横尾忠則 HANGA JUNGLE

会期:2017422日(土)~618日(日)
会場:町田市立国際版画美術館 http://hanga-museum.jp/ 
一般料金:800円がパスだけで入場できます。

「戦争・版に刻む記憶」展

会期:2017624日(土)~723日(日)
会場:町田市立国際版画美術館  http://hanga-museum.jp/
一般料金:600円がパスだけで入場できます。

「紙の上のいきものたち!!」展 同時開催 「インプリントまちだ展 2017

会期:2017729日(土)~924日(日)
会場:町田市立国際版画美術館  http://hanga-museum.jp/
一般料金:600円がパスだけで入場できます。


横浜美術館コレクション展「自然を映す」

会期:2017325日(土)~625日(日)
会場:横浜美術館 http://yokohama.art.museum/
一般料金:500円がパスだけで入場できます。


椿貞雄をめぐって千葉ゆかりの美術

会期:201767日(水)~730日(日)
会場:千葉市美術館 http://www.ccma-net.jp/ 
一般料金:200円がパスだけで入場できます。



★ぐるっとパスの詳細はこちらの公式HPをご覧ください。