2016年6月21日火曜日

「佐伯和子展 糸の葉」 武蔵野市立吉祥寺美術館

吉祥寺駅から徒歩約3分の武蔵野市立吉祥寺美術館では、7月18日(月・祝)まで「佐伯和子展 糸の葉」が開催されています。
武蔵野市立吉祥寺美術館には、ぐるっとパスで入場できます。

染色家・佐伯和子は独自の技法でチュールの上に糸を縫いこみ、一枚一枚表情の違う「糸の葉」を生み出しました。
この展覧会では、シリーズ全体で1万5千枚からなる「糸の葉」によるインスタレーション作品が展示されています。
その膨大な数の「糸の葉」が、展示室に独特な空間を生み出しています。


佐伯和子 PROFILE
染織家。1973年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン科卒業後、1975年にアトリエを設立。1981年、1982年、新制作展新作家賞受賞。1981年、1986年、日本クラフト展優秀賞受賞。2013年、清洲国際工芸ビエンナーレにおいてベストアーティスト賞受賞。現在、新制作協会所属。
1980年代の東洋紡本社に始まり、虎ノ門三井ビル、台湾の新荘副都心合同庁舎、ヒルトン東京ベイなど、国内外のホテルや病院を含め、手掛けたタピストリーはゆうに150件を超えます。

2000年代に入り、平面から立体へと制作スタイルを移行し、2012年にインスタレーション《糸の葉》を発表しました。
会場入口


《糸の葉…銀雨》 2016年
ロビーに展示されている作品。
近づいてみると、一枚一枚さまざまな糸の葉から構成されているのがわかります。
ロビーには、作家から来場者への「音をもたない小さな葉っぱがつくる ざわざわ をお楽しみ下さい。」というメッセージがあります。
《糸の葉…切通し》 2016年
企画展示室への入口。いきなり作品の中を入っていきます。
通り抜けると向こう側に、作品が見えてきます。
近づいて見ると、一枚一枚さまざまな色の糸が縫いつけられています。
《糸の葉…落水》 2016年
会場の奥正面には、壁面いっぱいの《糸の葉…落水》。


白から黒へのモノトーンのグラデーションに見えますが、一枚一枚の糸の葉には青やオレンジ、緑などさまざまな色が使われています。それは自然の風景と一緒です。
《糸の葉…BONBORI》 2016年
手前にある《糸の葉…BONBORI》の中にグリーンの光が見えます。これは、無機ELシートというものを使って、発光させているそうです。
展示室内にはゆったりとした椅子が置かれています。
椅子に腰掛けてじっくりと作品と対峙することができます。
椅子が設置されているのは、佐伯氏の、訪れた方にゆっくりと椅子に腰掛けて、長い時間をかけて作品を体感していただきたいという意向が反映されているからです。
《糸の葉…ゆらりまる》 2016年
会場入口、ロビーにはもうひとつ特別な作品があります。

《糸の葉…ゆらりまる》だけは実際に触ることができる作品です。いったいどんな感触がするのか、あなたも会場を訪れて、ぜひ体感してみてください。

今回の展覧会では、ワークショップや講演会、コンテンポラリーダンスや能楽とのコラボレーションなどのさまざまな関連イベントが開催されています。
*ワークショップ、コラボレーションへの参加の募集はすべて終了しています。


■6月4日公演 振付・出演 香取直登


■6月11日公演 振付・出演 入手杏奈
実際に行われたコラボレーション、《糸の葉》と舞の競演が行われたときの画像です。
この画像からも、インスタレーションの静とダンスの動が生み出す空間の緊張感が伝わってきます。

今回の展覧会では、佐伯氏の生み出した一枚の糸の葉から、インスタレーションとして作品が創り出され、他者とコラボレーションを行うことで、また新たにさまざまな空間も生み出されました。

人気の街吉祥寺の駅からも近い武蔵野市立吉祥寺美術館。まだ行ったことのない方は、吉祥寺の散策もかねて、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか?

「佐伯和子展 糸の葉」
会期:2016年6月4日(土)~7月18日(月・祝)
休館日:6月29日(水)
開館時間:10:00~19:30(入場は19:00まで)
観覧料:入館料100円 (小学生以下、65歳以上、障がい者は無料)
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館
武蔵野市立吉祥寺美術館には、ぐるっとパスで入場できます。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内79の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。