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2016年1月25日月曜日

「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」 世田谷文学館

京王線芦花公園駅南口から徒歩5分にある世田谷文学館では3月31日(木)まで「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」が開催中です。

浦沢直樹は、実写映画化もされた『20世紀少年』をはじめ『YAWARA!』『MASTERキートン』『Happy!』『MONSTER』『PLUTO』などなど発表作がすべて代表作とよべる人気漫画家です。
今回の展覧会は浦沢直樹初の大型個展となるものです。

今回の展覧会について語る浦沢直樹氏(内覧会当日会場にて)
「今回の展示の一番のコンセプトは、本一冊分の原稿を丸ごと展示して、みなさんがいつも手に取っている漫画がどういう形でできているのかを体感してもらいたいということなんです。」

PROFILE
浦沢直樹 うらさわ・なおき
漫画家。1960年、東京生まれ。1983年、『BETA!!』でデビュー。
スポーツものからSF、ミステリーまで、幅広いジャンルの漫画作品で読者を魅了し続け、世界的に人気が高い。手塚治虫文化賞、メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、アングレーム国際漫画祭最優秀長編賞(フランス)をはじめ、数々の漫画賞を受賞。最新作『BILLY BAT』(ストーリー共同制作:長崎尚志)を「モーニング」で連載中。

みなさんを今回の会場へとご案内します。
『20世紀少年』の単行本の表紙の絵が使われている入口の前に立っただけで、ワクワクしてきます。
ロビーでは個性的なキャラクターたちが出迎えてくれ、展覧会への期待が高まります。
展示室は2階なので階段を上へ。


会場入口。
まず、第1の撮影スポットがあります。
どんな被写体が待っているかは、会場を訪れてからのお楽しみです。

会場内に入ると最新作の『BILLY BAT』のコーナーからスタート。

その奥には、浦沢直樹が実際に作画している動画をみることができるコーナーがあります。一心不乱に筆を動かし続けるその映像に「描いて描いて描きまくる」という展覧会名に込められた思いが伝わってきます。

そしていよいよメインの展示スペースに一歩入ると壁面一面に原画が飾られた壁が出現します。

この展覧会の最大の魅力は大量の原画を目の当たりにできることです。訪れた人はまずそこに圧倒されることでしょう。
そして、他にもストーリーの構想メモ、ネーム、秘蔵のイラストやスケッチ、少年時代の漫画ノートまで、浦沢直樹の膨大な手稿を公開しています。

『20世紀少年』
それぞれの作品ごとに壁面に展示された原画を間近に見ながら進んでいきます。
展覧会のメインとなるこのスペースでは最終巻に収録された全原稿を展示する『MONSTER』をはじめ、『20世紀少年』、『YAWARA!』『MASTERキートン Reマスター』『パイナップルARMY』『PLUTO』『Happy!』の原画が壁面に1話分、作品によっては4話分も展示されています。
ひたすら目前の原画を読んで、じっくり見つめて、それこそペンのタッチを体感しながら浦沢直樹の世界に没頭することができます。
こちらのコーナーではさまざまな感情が表現されているシーンが切り取られて、モザイク状に展示されています。
1シーン、1シーンしっかりと受け止めながら見進んでいくと見る側も感情を深くゆすぶられます。

逆側の壁面にはカラー原画などが展示されているコーナーがあります。大きなパネルによるより迫力ある展示となっています。


第2の撮影スポットではこの方と記念撮影できます。


その横には浦沢直樹の年表が掲示されています。
年表をみつめていると、すごい作品を次々と生み出しているのだなと改めて感嘆します。


次のスペースへ移動すると浦沢直樹のルーツをたどることができる、少年時代の漫画ノートが展示されています。


続いて、浦沢直樹の音楽活動にも触れられるCDの視聴コーナーや秘蔵のイラストなどが並ぶギャラリーコーナーへと進みます。
ラストには『20世紀少年』のマークが描かれたギターも展示されています。


1階では、展覧会公式ブック『浦沢直樹 描いて描いて描きまくる』2,500円(税別)が販売されています。

ポストカードやクリアファイル、『20世紀少年』の手ぬぐいなどの会場限定グッズも販売されています。
この手ぬぐいで顔を覆えばあなたもともだちに、、、なれる?!


「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」
会期:2016年1月16日(土)~3月31日(木)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般800円、65歳以上高大生600円、小中生300円
会場:世田谷文学館 http://www.setabun.or.jp/
ぐるっとパスは割引券としてご利用いただけますので、640円(一般料金の160円引)で入場できます。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内78の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
ぐるっとパス2015の販売は1月31日(日)までです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。





2015年11月10日火曜日

「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」 パナソニック 汐留ミュージアム

パナソニック 汐留ミュージアムでは12月20日(日)まで、「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」が開催されています。
一般入場料1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。


この展覧会にはゴーギャンとポン=タヴァンの画家たちの作品73点が展示されています。

見どころとしては、ゴーギャンの出品作品11点のうち、6点が日本初公開だということです。
また、展覧会のもうひとつの主役はフランスの北西に位置するブルターニュ地方の風景です。ポン=タヴァンを始めとするこの地方は、風光明媚な自然環境や独特の文化などで芸術家たちの創作意欲を刺激しました。ブルターニュ地方を作家たちの絵画で旅するような構成になっているのです。
ブルターニュ地方の地図

展示構成
第1章 1886年 ゴーギャンの最初の滞在
第2章 総合主義の表出
第3章 ル・プールデュでの滞在とグループの拡大
第4章 ブルターニュでの最後の滞在、そして最後の仲間たち


第1章 1886年 ゴーギャンの最初の滞在の展示風景
右は最初のポン=タヴァンの滞在中に描かれた作品。左はパリへ戻ったのちに制作された陶器の作品。

第2章 総合主義の表出の展示風景
ゴーギャン作品のコーナー。

ポール・ゴーギャン [2人のブルターニュ女性のいる風景]
1888年 ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen
2度めにポン=タヴァンを訪れたときの作品。
ゴーギャンの絵画表現に「総合主義」*の到来を予見させます。

*「総合主義」とは客観的現実と想像力の投影のバランスをとり、同じひとつの画面に構成する方法。ゴーギャン、セリュジエ、ベルナールらポン=タヴァン派、ナビ派の画家たちにより試行されました。


この展覧会の展示構成は、作家ごとにまとまって展示されている箇所が数箇所あるので、作家の作品をコーナーごとにじっくり楽しむことをお勧めします。
第2章 総合主義の表出の展示風景
ベルナールのコーナー。


エミール・ベルナール
[会話(ステンド・グラスのエスキス、サン=ブリアック]

1887年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
1887年、ベルナールのステンドグラスのための習作。その頃ベルナールはクロワゾニスム*という技法に熱心に取り組んでいた。この作品はその後の「総合主義」の始まりの指標であり、その発展にベルナールが中心的役割を果たしたことを示す重要な作品です。

*クロワゾニスムとは、黒い輪郭線で区切られた中に奥行き感のない色面で構成する様式のこと。


第2章 総合主義の表出の展示風景
セリュジエのコーナー。

ポール・セリュジエ
[呪文或いは物語 聖なる森]
1891年 カンペール美術館
Musée des beaux-arts de Quimper, France
セリュジエの優れた絵画作品の中でも重要な作品。日本美術からの影響も認められます。
この展覧会で深く印象に残った絵のうちの1枚です。この絵の前に立つと、描かれた宗教的儀式のような光景の前に、思わず静粛な気持ちになり引き込まれます。


第3章 ル・プールデュでの滞在とグループの拡大の展示風景

アンリ・ドラヴァレー
[アプレモンの家、オワーズ]
1892年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
アンリ・ドラヴァレーは1881年から定期的にポン=タヴァンを訪れていた画家で、86年にはゴーギャンやベルナールとも交流しました。


ルイ・ロワ [カンペール焼きの花瓶の静物]
1890年 ブレスト美術館 Musée des beaux-arts de Brest, France
ルイ・ロワのこの作品には、大胆な非対称の構図、形態の簡略化、遠近法の無視、色調の力強さなど、ゴーギャンの影響が見て取れます。

ジョルジュ・ラコンブ [森の中の3人のビグダン地方の女性]
1894年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France



第4章 ブルターニュでの最後の滞在、そして最後の仲間たちの展示風景
ドニのコーナー。
私がこの展覧会で印象的だったのは、ドニの作品のコーナーです。特徴的な淡いトーンの色彩と独特な画面構成には、しばし時間を忘れて見つめてしまう不思議な魅力があります。

モーリス・ドニ [小舟のブルターニュの女性]
1891-92年 カンペール美術館 Musée des beaux-arts de Quimper, France
モーリズ・ドニはナビ派の主要なスポークスマンといえます。


ポール・ゴーギャン [タヒチの風景]
1893年(?) ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館、コペンハーゲン
Ny Carlsberg Glyptotek, Copenhagen
ゴーギャンの最初のタヒチ滞在中である1893年頃に描かれた作品。


最後にはゴーギャンの足跡を示した地図とポン=タヴァンの昔と現在の風景を比較できる写真で締めくくられています。



パナソニック 汐留ミュージアム
HP http://panasonic.co.jp/es/museum/
「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展」
会期:2015年10月29日(木)~12月20日(日)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:11月11日
入場料:一般1,000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料
一般入場料1,000円がぐるっとパスだけで入場できます。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内78の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。





2015年10月23日金曜日

「ニキ・ド・サンファル展」 国立新美術館

国立新美術館では、12月14日(月)まで、ニキ・ド・サンファル展が開催されています。

ニキ・ド・サンファル(1930~2002年)は戦後を代表する美術家のひとりです。
今回は、彼女の初期から晩年まで国内外の主要作品を集め、出品数が150点を超える国内最大規模の回顧展となります。

会場構成は以下の通り。
chapter1 アンファン・テリブル―反抗するアーティスト
chapter2 女たちという問題 
chapter3 あるカップル 
chapter4 ニキとヨーコ―日本との出会い 
chapter5 精神世界へ 
chapter6 タロット・ガーデン


「chapter2 女たちという問題」の展示風景
ニキといえば、写真のような女性をかたどったカラフルな彩りの「ナナ」シリーズの彫刻が有名です。
目にされたことがある方も多いかもしれません。
私の中のニキのイメージといえば、まさにこの「ナナ」でした。

しかし、今回の回顧展でニキの初期から晩年までの仕事をまとめて観ることができ、その多彩さを再発見し、改めてその魅力に夢中になりました。

ニキは、1961年に発表した「射撃絵画」で一躍その名が知られることになります。
「chapter1 アンファン・テリブル―反抗するアーティスト」の展示風景
絵具を入れた缶や袋を石膏で画面に付着させた、そこに向けて銃を放つことで完成するのが「射撃絵画」。
絵画と彫刻の両方の要素を兼ね備え、また制作行為そのものがパフォーマンス・アートの先駆例として美術史上高く評価されました。
「chapter1 アンファン・テリブル―反抗するアーティスト」の展示風景
「chapter1 アンファン・テリブル―反抗するアーティスト」の展示風景
ニキは、少女時代を過ごしたアメリカや母国フランスの抽象絵画に影響を受けながら、アーテストとして独自のスタイルを作り上げて行きます。
「射撃絵画」を発表する以前は、ジャクソン・ポロック風の絵画などを制作しました。

「chapter2 女たちという問題」の展示風景
次第に自らが「女」であるということへの問いを制作の中心に据え、魔女、娼婦、聖母、花嫁、母親といった様々な女性の姿を主題とした作品を作るようになります。

「chapter2 女たちという問題」の展示風景

「chapter2 女たちという問題」の展示風景
友人が妊娠した姿から想を得た女性像の作品は「ナナ」シリーズへと発展しました。
鮮やかな色彩と伸びやかな形態を用いた「ナナ」は、ニキにとって自由を象徴する女性像でした。


《頭にテレビをのせたカップル》 1978年  Yoko増田静江コレクション

《頭にテレビをのせたカップル》 1978年  Yoko増田静江コレクション
男女が背中合わせに組み合わさったこの作品は、2人の人間の間で交わされるコミュニケーションの多様な側面とそこで生じる心理的葛藤を、ユーモアを交えて表現しています。

ニキと親交の深かった日本人のコレクター増田静江は、1994年に栃木県那須高原に建てられたニキ美術館(2011年閉館)の創立者です。
2人はニキとヨーコ(「静江」がフランス語では呼びづらいため自らをヨーコと名付けた)として、美術家とコレクターの関係を超え、20年以上にわたって特別なつながりを作り上げていきました。
会場にはニキがヨーコに送った絵手紙もたくさん展示されています。1枚1枚じっくり見ていきたくなるほど楽しく、2人の心の通い合いが感じ取れるものです。

ニキが初めて日本を訪れた際、ヨーコと共に京都に足を運びました。この時の経験はニキに新たな作品のインスピレーションを与え、晩年の大作《ブッダ》(1999年)に結実します。
《ブッダ》 1999年  Yoko増田静江コレクション
高さ3メートルを超える巨大なブッダ像。
この作品は会場で写真撮影が可能となっています。

ニキの最も重要な作品はイタリアのトスカーナに建設された《タロット・ガーデン》という彫刻公園です。
1979年の着工から20年の歳月を費やして1998年に一般公開され、その後もニキは亡くなるまで、この夢の公園に情熱を傾け続けました。
「chapter6 タロット・ガーデン」の展示風景

「chapter6 タロット・ガーデン」の展示風景
タロット・ガーデンのためのドローイング。
22枚のタロット・カードのモティーフそれぞれに独自の解釈を与え、幻想的な世界を作り上げました。
「chapter6 タロット・ガーデン」の展示風景

《翼を広げたフクロウの椅子》 1999年  Yoko増田静江コレクション
最後に展示されているこちらの椅子も撮影可能の作品です。


国立新美術館
HP http://www.nact.jp/
「ニキ・ド・サンファル展」
展覧会HP http://www.niki2015.jp/
会期:2015年9月18日(金)~12月14日(月)
開館時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで
(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日(ただし11月3日は開館、11月4日は休館)
入場料:一般1600円、大学生1200円、高校生800円、中学生以下無料
ぐるっとパスのご利用で一般料金の100円引きになります。


★ぐるっとパスは、1冊2000円で都内78の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。