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2017年5月12日金曜日

「ファッションとアート 麗しき東西交流」 横浜美術館

今回はぐるっとパス2017から新しく加わった、横浜美術館をご紹介します。
みなとみらい地区にあり、魅力的な商業施設や、ショッピングモールの他、赤レンガ倉庫やみなとみらい線で中華街まで足を伸ばせる好立地にある美術館です。
横浜在住の方はもちろん、少し離れたところにお住まいの方もわざわざ出掛けても、きっと満足できることと思います。
6月25日(日)まで、「ファッションとアート 麗しき東西交流」展を開催中です。

19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術に焦点を当て、横浜を一つの拠点とする東西の文化交流が、人々の生活や美意識にどのような影響を及ぼしたのかを紹介しています。
この展覧会にはぐるっとパスを割引券としてご利用いただけます。
ペール「イヴニング・ドレス」1919年頃 京都服飾文化研究財団蔵
横浜では初めての展示となる京都服飾文化研究財団(KCI)*所蔵のドレスや服飾品約100点を中心に、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展示。
日本と西洋が互いの装いと生活の文化をどのように受容・展開し、新しい美を見出していったかをたどります。
(会期中、一部展示替えがあります。)
*京都服飾文化研究財団(KCI)は、西欧の服飾、及び服飾に関する文献や資料を体系的に収集、保存し、研究、公開する機関です。世界屈指の服飾コレクションを有することでも知られています。
第1章 東西文化の交差点 YOKOHAMA
1859(安政6)年の開港以来、横浜は交易の拠点であるのみならず、東西の文化や情報が行き来する玄関口の役割を担いました。
第1章の展示風景
日本独自の意匠や繊細な技術と西洋人の嗜好を融合させて、真葛焼や横浜焼などの陶磁器、芝山細工の家具、羽二重のドレスなどが横浜の地で作られ、輸出されていきます。
左 日本製 芝山細工飾棚 明治時代 金子コレクション
右 飯田髙島屋「室内着」1906年頃 京都服飾文化研究財団蔵

第2章 日本 洋装の受容と広がり
明治維新後、日本政府は西洋の国々に倣った近代国家を目指して西洋文化を積極的に導入しました。
皇族や華族が洋装を取り入れ、鹿鳴館では西洋に影響を受け、舞踏会や音楽会が数多く開かれました。

「昭憲皇太后用大礼服」1910年頃(明治末期) 共立女子大学博物館蔵
新年の朝賀の際に着用された昭憲皇太后の大礼服。3mを超すトレーンを引く豪華なドレス(マントー・ド・クレール)で、当時の縫製技術の粋を尽くして製作されました。大小の菊花が日本刺繍で施され、東西の文化が見事に融合しています。
左 山村耕花 「少女」 1935(昭和10)年 横浜美術館蔵(山村行輝氏寄贈)

右 勝田哲 「朝」 1933(昭和8)年 京都市美術館蔵
左 清水市郎「東京廓の婦人」1889(明治22)年頃 横浜美術館蔵(小島豊氏寄贈[小島烏水旧蔵]
右 勝山繁太郎・矢島徳三郎「都之花」1889(明治22)年頃 日本宝飾クラフト学院蔵
画家や版画家、写真家たちは洋装の女性たちをいち早くとり上げました。

第3章 西洋 ジャポニスムの流行
19世紀後半、西洋では、パリやロンドンの万国博覧会に出品された日本の美術品や工芸品が注目を集め、ジャポニスムの大ブームが巻き起こりました。
第3章 展示風景
第3章 展示風景
ファッション界においてもジャポニスムの影響は大きく、ウォルトやシャネルをはじめとする代表的なメゾンがこぞって、日本の着物にインスピレーションを得たドレスを発表しました。

京都服飾文化研究財団(KCI)のドレスのコレクションには見るものを惹きつける華やかさがあり誰もが魅了されることでしょう。
日本の着物の影響を受けた西洋のジャポニスムのコレクションがまとまった形で公開されるのは、20年ぶりとのこと。
これを見逃すとまた、いつ目にすることができるかわからない貴重な機会と言えます。

横浜美術館
HP http://yokohama.art.museum/
「ファッションとアート 麗しき東西交流」展
会期:2017年4月15日(土)~6月25日(日)
休館日:木曜日
開館時間:10:00~18:00*5月17日(水)20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料
ぐるっとパスを割引券としてご利用でき、一般料金の100円引となります。


横浜美術館コレクション展「自然を映す」
6月25日(日)までコレクション展も開催されています。
美術家たちが自然をどう捉え表現してきたかを横浜美術館のコレクションから紹介しています。
一般料金500円のところぐるっとパスで入場できます。
*「ファッションとアート 麗しき東西交流」展観覧当日に限り、コレクション展もご覧になることができます。

横浜美術館コレクション展「自然を映す」
会期:2017年3月25日(土)~6月25日(日)
休館日:木曜日
開館時間:10:00~18:00*5月17日(水)20:30まで(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般500円、大学・高校生300円、中学生100円、小学生以下無料
*6月2日(金)は無料

★ぐるっとパスは、1冊2000円で80の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。使用開始日から2ヶ月間利用可。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。
 


2017年5月1日月曜日

「絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事」 千葉市美術館

今回は、ぐるっとパス2017に新しく加わった千葉市美術館をご紹介します。
千葉市美術館の建物は千葉市中央区役所との複合施設になっています。昭和2年建造の旧川崎銀行千葉支店の建物を保存・修復したさや堂ホール(1・2階)を包み込むようにして建てられ、平成6年に竣工しました。
美術館の受付は8階になります。
5月28日(日)まで、「絵本はここから始まったーウォルター・クレインの本の仕事」を開催しています。
この展覧会には、ぐるっとパスのご利用で一般料金の50%割引の600円で入場することができます。
ウォルター・クレイン(1845-1915)は、19世紀後半にイギリスで活躍し、現代の絵本の基礎を築いた重要な画家の一人であり、ウィリアム・モリスとともにアーツ・アンド・クラフツ運動を推進したデザイナーとしても知られています。

この展覧会は、本の仕事を中心にクレインの芸術を本格的に紹介する日本で初めての試みであり、ほぼすべての絵本と主要な挿絵本を網羅する約140点を展示します。

展覧会は4部構成です。
Ⅰ クレインのトイ・ブック ―カラー絵本の始まり
Ⅱ カラー絵本の仕掛人エヴァンズとコールデコット、グリーナウェイの絵本と挿絵本
Ⅲ 本をデザインする ―クレインの挿絵本の仕事
Ⅳ クレインの素顔

クレインは、多色刷木口木版の技術を開発した彫版師・刷師のエドマンド・エヴァンズに才能を見出されました。二人は1865年にトイ・ブック(簡易なつくりの絵本)を生み出します。Ⅰ部では、クレインのトイ・ブックを主に絵本がたくさん紹介されています。

ウォルター・クレイン『シンデレラ』1873年 個人蔵/鶴見大学図書館蔵
みなさんにもおなじみの『シンデレラ』。色使いも華やかで思わず細部まで見入ってしまいます。女性にとってはその衣装も注目したい見どころです。
本なので、各ページを壁面に展示したり、ケースの中に置いて見開きの状態で実物を見られる展示もされています。
会場は広く、ゆとりのあるスペースで1点1点の絵本をじっくりと鑑賞することができます。
ウォルター・クレイン『美女と野獣』1874年 個人蔵
クレインの描いた『美女と野獣』。見開きページ全体の調和を重視したクレインが、1枚の絵を見開き全体に描いたことも革新的でした。
この絵を見てもその画面構成が緻密に計算されたものだとわかります。
主人公の美女は右手に団扇をもっています。クレインは浮世絵から少なからず影響を受けました。ところどころに東洋趣味を垣間見ることができます。その点も見逃さずに鑑賞してみてください。
ウォルター・クレイン『眠り姫』刊行年不詳(初版1876年) 武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵
こちらの『眠り姫』の見開きページからも画面構成の素晴らしさが見て取れます。

1876年以降クレインはトイ・ブックの仕事から手を引きますが、エヴァンズと共同で新たに伝承童謡集『幼児のオペラ』を制作しました。


ウォルター・クレイン『幼児のオペラ』刊行年不詳(初版1877年) 青山学院女子短期大学図書館 オーク・コレクション/中央大学図書館/個人蔵/個人蔵
主にマザーグースの唄が収められた、全36曲からなる歌曲集で、各歌にクレインの挿絵と装飾が添えられています。動物や子どもたちをモチーフとした装飾が五線譜を縁取り、ページ全体が一つのデザインとしてまとめられています。
ウォルター・クレイン『ウォルター・クレインのぬり絵本』1889年 青山学院女子短期大学図書館 オーク・コレクション/町田市立国際版画美術館蔵



ウォルター・クレイン『フローラの饗宴』1889年 個人蔵
もう1点、リトグラフのとても素敵な作品がありました。
花を擬人化して描いた作品集『フローラの饗宴』です。40点の挿絵により花の女神「フローラ」が冬の眠りから花々を呼び覚ましていく様子が語られています。

クレインの描く絵は、全体の構成や細部へのこだわりなど見どころがたくさんで、見る度に新たな気付きがあります。見る人それぞれの楽しみ方があると思いますので、ゆったり時間をとって美術館を訪れることをおすすめいたします。
見終えた後、期待を裏切らない見ごたえが必ずあることと思います。
このような撮影コーナーも設けられています。
ぜひ記念にどうぞ。


千葉市美術館
HP http://www.ccma-net.jp/
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
*入場受付は閉館の30分前まで
休館日:5月1日(月)
「絵本はここから始まったー
ウォルター・クレインの本の仕事」
会期:2017年4月5日(水)~5月28日(日)
観覧料:一般1,200円、大学生700円、小中高生は無料
ぐるっとパスのご利用で一般料金の50%割引の600円で入場することができます。
*美術館へのアクセスはこちらをご参考にしてください。

★ぐるっとパスは、1冊2000円で80の美術館・博物館などの入場券又は割引券が綴られた便利でお得なチケットブックです。使用開始日から2ヶ月間利用可。
詳細はこちらの公式HPをご覧ください。